電磁的雑音低減の原理

 
1. はじめに
 
平行対線(?)と比較して、より対線(Twisted Pair Cable)の方が
電磁波の影響をに受けにくいことが一般的に知られています。
そのため、現在の高速有線通信では欠かせない基本技術となっており、
例えば高速LANケーブルや高速USBケーブルのデータ線も より対線 になっています。
 
よく知られ、よく使われているより対線ですが、一方で、
(高速通信の文献を見ていると)その原理が忘れ去れている感があります。
そこで筆者は、なぜより対線が電磁的ノイズ対策として有効なのかを
改めて考えてみることにしました。
(図を使うと分かり安いのですが、まだ用意できていません)
 
2. より対線 とは何か…。
 
通信先に電流が向かっている線(+)と通信元に電流が戻っている線(-)をネジって
一本の通信線として利用した対線(Pair Cable)のことです。
 
特長としては、従来よく用いられてきた平行対線に比べて、
電磁波の影響を受けにくいという利点があります。しかし、
より対線が常に万能ということはなく、平行線に比べて、
線路容量が大きくなりがちという欠点があります。
(実際の利用では、線路容量は大した問題にならないことが多いようです)
 
3. 原理
 
より対線がどのようなものか分かったところで、その利点である
ノイズ低減が何故可能なのかを考えてみましょう。
 
ここで重要になるのは、以下の二点になります。
 
・電磁波に起因する外乱磁界
・逆位相外乱
 
まず『より対線のピッチ(何cmで1ひねりするか)より電磁波の波長が十分に短い』
という一つの仮定をします。
これにより『1ひねり分では電磁波に起因する外乱磁界の空間的変化は無視できる』
と見なすことができます。
 
次に外乱磁界がTwisted Wire(ねじり線)に与える影響を考えます。
まず、線(電流)は点(電子)のつながりで表現できますので、
点と点の問題にして簡単化します。
点と点の磁界が一定である場合、空間的に点対称にある点同士では
逆向きに電子が動いているために、外乱磁界によって、その点と点では
互いに逆位相の電圧が発生します。
 
4. まとめ
 
より対線では、その線の対称性で同相雑音を見えなくし、
更には、局所的な電磁波によるノイズをねじり線で打ち消すことによって、
ノイズの少ない高品質な信号伝送を実現することが可能なようです。
 
5. 実用上の注意点
 
1〜4を踏まえると、実用上の注意点が見えてきます。
ねじり線で打ち消すことができるのは、
電磁波の波長がピッチより十分に長い場合に限られるので
外乱の電磁波の波長が短い場合には、ピッチを短くしないと
ノイズを相殺することができません。
 
が、しかし…。
実際の電子機器から出ている強い放射ノイズは
電源周波数かその数倍の周波数、またはスイッチング周波数(MHz未満)程度であると
考えられますので、より対線のピッチが長すぎるような状況は少ないかもしれません。
 
とは言うものの、高速通信を行っているような線の近くに配線する場合には、
ピッチを短くすると、隣の線からのノイズを受けにくくなると考えられます。
そういう状況では、ピッチを気にしてみるのもいいかもしれません。
 

 
…と、以上のように整理できたのですが、
これは図で説明しないと、意味が全く伝わらないかもしれません。
 
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